おにぎり専門店は本当に儲かる？成功事例と利益率を徹底分析！

2025年6月5日木曜日

飲食業

おにぎり専門店は儲かるのか？この記事で分かること

「おにぎり専門店って、実際のところ儲かるの？」──そんな疑問を持っている方は少なくありません。最近では、街角で行列を見かけることも増え、気になるビジネスとして注目されています。

結論から言えば、おにぎり専門店は工夫次第で十分に利益を生み出すことが可能です。高い利益率や低コスト運営、さらには健康志向の高まりといった時代の後押しもあり、成功する土台は整っています。

とはいえ、成功にはいくつかの条件があります。立地やメニュー、差別化の工夫など、ポイントを押さえなければ赤字になるケースもあります。

この記事では、実際に成功している店舗の事例をもとに、利益率の実態や経営戦略のヒントを分かりやすく解説していきます。すでに検討中の方にも、これから考えたい方にも参考になる内容です。

この記事で分かること

おにぎり専門店の市場規模や成長性
実際に儲かっている店舗の具体例
利益率と経営コストのリアルな数字
開業に必要な準備や資金の目安
失敗しないための差別化と運営戦略

おにぎり専門店の市場規模と成長性

日本国内におけるコンビニおにぎり市場の動向

国内のおにぎり市場は、2023年時点でコンビニ3社（セブン-イレブン・ローソン・ファミリーマート）だけでも年間売上高が2,000億円を超えています。これにより、おにぎりの需要が安定して高いことが分かります。また、日常的に購入される商品のため、リピート率が高い点も注目されています。

専門店ブームと健康志向の高まり

健康志向の高まりを背景に、無添加・玄米・雑穀米などを使ったヘルシーおにぎりが注目されています。SNSを中心に「無添加おにぎり」や「グルテンフリー」といったキーワードが話題となっており、専門性の高さが支持される傾向にあります。

海外市場への進出事例とポテンシャル

「おにぎり権米衛」はニューヨークや香港などにも出店しており、日本食ブームを追い風に高評価を得ています。米を主食とする文化圏以外でも、健康食・軽食として受け入れられています。グローバル展開の可能性も高く、海外市場のポテンシャルは大きいです。

コロナ後のテイクアウト需要との相性

パンデミック以降、テイクアウト需要が拡大しました。おにぎりは持ち帰りやすく、個包装が基本で衛生的という特徴があります。短時間の食事や忙しいビジネスパーソンにも適した商品として、現在も高い需要を維持しています。

小規模でも勝負できる理由とは

おにぎり専門店は、提供商品がシンプルなため設備投資や人件費を抑えられるのが特徴です。たとえば都内の人気店舗「おにぎり浅草宿六」は、10㎡以下の小さな店舗で日販10万円以上を達成しています。

少ない面積と人員で効率的に利益を出せる点は、個人事業主にも大きなメリットです。

実際に儲かっているおにぎり専門店の成功事例

「おにぎり浅草宿六」の経営スタイルと収益性

東京都台東区にある「おにぎり浅草宿六」は、1954年創業の老舗おにぎり専門店です。観光地に位置しながらも地元客にも愛されており、1個250円〜350円という価格帯でも高いリピート率を維持しています。1日200個以上を売り上げる日もあり、安定した収益を確保しています。

「ほんのり屋」のブランド戦略と多店舗展開

JR東日本グループが展開する「ほんのり屋」は、駅ナカ需要を活かした戦略が特徴です。通勤時間帯に特化した営業や「季節限定おにぎり」など商品開発にも注力し、ビジネスパーソンの朝食ニーズにマッチした販売戦略で成功しています。現在、都内を中心に複数店舗を展開中です。

「おにぎり権米衛」のグローバル戦略

「おにぎり権米衛」は国内に約30店舗を持ち、海外にも展開するブランドです。玄米や雑穀米を使用し、ヘルシーさを前面に押し出したメニュー構成が特徴です。ニューヨーク店では現地メディアでも取り上げられ、現地価格でも1個4〜5ドルで販売されており、高収益が見込まれます。

「onigily cafe」のSNS活用術

東京・代官山の「onigily cafe」は、SNS映えするパッケージデザインとビジュアルで注目されています。Instagramを中心にフォロワーを増やし、写真から来店につながる動線を構築して集客に成功しています。若年層の来店が多く、口コミによる自然拡散が売上を後押ししています。

ユニークコンセプトで注目された新興店の特徴

地方発のユニークな専門店も台頭しています。たとえば、静岡県の「ごえんおにぎり」は「一合分おにぎり」という特大サイズを売りにし、地元食材を使ったトッピングで話題を集めました。

特徴ある商品展開はメディアにも取り上げられやすく、短期間で認知度と売上を拡大しやすい傾向があります。

おにぎり専門店の利益率は高い？収益構造を解説

原材料費と販売価格のバランス

おにぎりは、米・海苔・具材というシンプルな素材構成が中心です。たとえば、1個あたりの原材料費は50〜80円程度が一般的ですが、販売価格は200〜300円とされています。粗利率は60〜70%と比較的高く設定できるのが特徴です。ただし、高級食材を使う場合は原価が上がるため、価格設定に注意が必要です。

人件費とオペレーションの簡素化

おにぎりは作業工程がシンプルなため、熟練の職人でなくても一定の品質で製造が可能です。1〜2名体制でも回せる場合が多く、人件費を最小限に抑える運営が実現できます。調理工程をマニュアル化し、ピーク時間帯の効率を高めることが利益確保の鍵です。

家賃や設備投資のコストはどれくらい？

10〜15㎡程度の小規模店舗でも営業可能なため、テナント料も低く抑えやすいです。たとえば、都内の住宅街立地であれば月額10万円前後の物件も珍しくありません。初期設備投資も100〜150万円程度でスタートできるケースが多いです。冷蔵庫・炊飯器・什器類を中心に構成されるため、汎用性も高く再利用が可能です。

おにぎりの粗利率の目安と比較

飲食業界全体の平均粗利率は60%前後とされていますが、おにぎり専門店は商品構成が限定されている分、ロスが少なく、粗利率を70〜75%まで高めることができます。特に、定番メニューを中心に構成することで、仕入れ効率も上がり、安定した利益を生みやすくなります。

コンビニとの価格競争に勝てるのか？

コンビニおにぎりの平均価格は130〜160円と低価格ですが、専門店は「手作り」「無添加」「地元食材使用」といった明確な価値を伝えることで差別化が可能です。実際に、「ほんのり屋」などは230〜300円でも高い評価を得ており、価格以上の価値が認められています。

価格だけで勝負せず、品質や体験価値を軸に勝負することが成功のポイントです。

おにぎり専門店を開業するには？必要な準備と資金

開業にかかる初期費用と設備内容

おにぎり専門店の開業に必要な初期費用は、店舗規模や立地によって異なりますが、平均で150万〜300万円程度が目安です。主な内訳は、店舗の内装費・厨房機器（炊飯器、冷蔵庫、シンクなど）・什器類・看板・備品購入費などです。小規模物件や居抜き物件を活用することで、コストを大幅に抑えることも可能です。

必須となる資格や許可（食品衛生責任者など）

飲食店の営業には、「食品衛生責任者」の資格が必須です。1日講習を受けることで取得可能で、費用は1万円前後です。また、保健所からの営業許可も必要で、開業前には店舗の図面とともに申請が必要です。火を使う設備がある場合は、消防署への届け出も忘れずに行いましょう。

店舗探しと立地の選び方

成功する店舗の多くは「人通りの多いエリア」に立地しています。駅近やオフィス街、観光地が人気ですが、住宅地のテイクアウト需要を狙う戦略も有効です。家賃と集客のバランスを取り、月商の10〜15%以内に家賃を収めるのが理想です。出店前には、周辺の競合状況や導線も調査しましょう。

メニュー開発と原材料の仕入れルート

おにぎりの基本メニューは「塩むすび」「梅」「鮭」などの定番が中心です。差別化を狙うなら、地元食材や変わり種の具材を取り入れるとよいでしょう。仕入れ先は地元の米農家や海産物業者と提携するケースが多く、安定供給と品質管理が重要です。仕入れコストを抑えるためには、業務用卸問屋の活用も検討しましょう。

事業計画書の作り方と融資のポイント

開業資金を金融機関や日本政策金融公庫から借りる場合、事業計画書の提出が必須です。計画書には、「開業の動機」「想定売上」「運営体制」「資金繰り計画」などを明記します。

特に売上予測に根拠を持たせることが融資審査を通過する鍵です。

店舗の立地写真やメニュー案も添付すると、信頼性が高まります。

おにぎり専門店で儲けるための差別化戦略

オリジナル具材や地元食材の活用

差別化の基本は商品そのものにあります。定番に加え、「和牛しぐれ煮」や「牡蠣のしぐれ煮」などのオリジナル具材を取り入れることで、他店との違いを明確に打ち出せます。また、地域の特産品を使ったご当地おにぎりは観光客にも人気です。実際に地方観光地の店舗では、月商80万円以上を記録する事例もあります。

ベジタリアン・ビーガン対応のメニュー展開

近年、健康志向や宗教的配慮から植物性食品を好む人が増加しています。動物性原料を使わない具材の導入は、国内外の幅広い客層のニーズに応えられます。「豆腐そぼろ」や「味噌ナッツ」など、食感と満足感を意識したメニューが高評価を得ています。

SNSやインフルエンサーを活用した集客

InstagramやTikTokを活用したビジュアル重視の発信は、若年層の来店動機につながります。たとえば、「onigily cafe」はフォトジェニックな商品を投稿し、月に1万人超のリーチを記録しました。店舗の世界観や包装デザインを工夫することで、自然な拡散が期待できます。

テイクアウト・デリバリーサービスの導入

忙しい現代人にとって、手軽さは大きな魅力です。Uber Eatsや出前館などの外部サービスと連携することで、店舗の立地に依存せず売上を伸ばせます。とくにランチタイムは注文が集中しやすく、売上構成比の20〜30％を占める店舗もあります。

ただし、手数料の負担や配送時間の品質管理には注意が必要です。

サブスクリプションや予約販売の導入事例

新しい収益モデルとして注目されているのが「おにぎり定期便」や「事前予約販売」です。たとえば、週3回の定期購入を提案することで、安定収入と廃棄ロス削減の両立が可能になります。常連客の確保やリピート率の向上にもつながるため、中長期的な成長戦略として有効です。

失敗するケースの共通点とリスク回避策

立地選定のミスによる集客不足

集客の成否は立地で決まると言っても過言ではありません。人通りの少ない場所や需要とズレたエリアでは、いくら魅力的なおにぎりでも売れ行きが伸びません。実際に、駅から離れた住宅街で開業した店舗が半年以内に閉店した事例もあります。事前の市場調査と現地視察は欠かせません。

原価率の甘さがもたらす赤字経営

高級具材や手間のかかるレシピを取り入れすぎると、原価率が40〜50％を超えることもあります。飲食業では原価率30％台が理想とされており、これを大きく上回ると利益を圧迫します。売価設定と原材料費のバランスを見直すことが重要です。

人材不足とオペレーション崩壊

少人数運営が魅力の一方で、スタッフが急に欠けると店舗が回らなくなるリスクがあります。特に、ワンオペ営業や家族経営では長期休業につながるケースも見られます。業務のマニュアル化とシフト体制の柔軟性が欠かせません。

差別化の欠如による価格競争の激化

コンビニおにぎりと類似したラインナップであれば、価格競争で不利になります。「なぜこの店を選ぶのか」という理由を作れなければ、集客もリピーターも伸びません。独自の具材やパッケージ、ストーリー性のあるメニュー開発が不可欠です。

無理な多店舗展開による資金繰り悪化

1店舗目の成功を受けて急拡大するケースもありますが、運営体制や人材が追いつかずに資金ショートする例も多いです。

黒字でもキャッシュフローが回らなければ倒産のリスクが高まります。

着実な利益確保と、慎重な事業計画に基づく出店が求められます。

おにぎり専門店は本当に儲かる？よくある質問（FAQ）

おにぎり専門店の1日の売上の平均は？

店舗規模や立地にもよりますが、都心部で人気のある店舗では、1日あたりの売上が5万円〜10万円前後というケースが一般的です。平日はランチ需要、休日は観光客の流れによって大きく変動します。定番商品を揃えることで、安定したリピート率が期待できます。

一人でもおにぎり専門店を経営できる？

小規模店舗であれば、1人での経営も十分に可能です。ただし、朝の仕込みから販売、清掃・仕入れまですべてを行う必要があるため、効率的なオペレーションと体力が求められます。ピーク時間帯は人手を一時的に確保する方法も検討すると良いでしょう。

コンビニとの差別化はどうしてるの？

差別化のカギは「品質」と「体験」にあります。たとえば、「無添加」「炊きたて」「地元産米使用」といった要素は、コンビニでは提供できない価値となります。また、注文後に握るスタイルや見た目にこだわったパッケージデザインも有効です。

季節や天候で売上は大きく変動する？

はい、天候や季節によって売上は影響を受けます。特に雨天は来店客数が減少しやすく、夏場は保存の関係で売れ残りリスクも高まります。一方、春や秋はピクニック需要などで売上が伸びやすい傾向があります。季節限定メニューの導入などで対策可能です。

サイドメニューの導入は効果的？

サイドメニューは単価アップやリピーター育成に効果的です。味噌汁・漬物・唐揚げなどは人気があり、セットメニューとしての販売が収益向上につながります。ただし、調理や管理の手間も増えるため、最小限から導入して反応を見ながら調整しましょう。

フランチャイズと個人開業、どちらが得？

フランチャイズはブランド力やサポート体制が魅力ですが、

ロイヤリティや契約の縛りが負担となるケースもあります。

一方、個人開業は自由度が高く、アイデアを活かしやすいですが、すべて自己責任です。開業経験がない方は、初期はフランチャイズでノウハウを学び、その後独立するという方法もあります。

まとめ：おにぎり専門店で成功するために必要なこと

おにぎり専門店は、低コスト・高粗利・安定需要という点で非常に魅力的なビジネスモデルです。特に近年は健康志向やテイクアウト需要の高まりもあり、時代の追い風を受けています。

しかし、安定的に儲けるためには戦略的な視点が必要です。次のようなポイントを押さえることで、リスクを抑えながら利益を伸ばすことができます。

立地選びと市場調査を徹底する
原価率と人件費の管理を徹底し、収益構造を最適化する
他店と差別化できるメニューやコンセプトを明確にする
SNS・テイクアウト・サブスクなど販促手段を柔軟に取り入れる
拡大フェーズでもキャッシュフローと体制管理を怠らない

成功事例に共通するのは、「小さく始めて着実に伸ばす」姿勢です。多店舗展開や独自ブランドの確立も、土台が固まってこそ実現可能です。

初期の熱意だけで突き進まず、事業計画と現場運営のバランスを冷静に見極めることが、長く愛されるおにぎり店への第一歩です。