カツオ漁で年収1000万円!? 遠洋漁業の給料・ボーナス・手当を徹底分析！

2025年5月9日金曜日

カツオ漁の遠洋漁業ってどんな仕事？

カツオの遠洋漁業と聞くと、多くの人が「大変そう」「特殊な世界」といったイメージを持つかもしれません。しかし実際は、未経験でも高収入を目指せる業界として注目されています。特にカツオ漁は、成果報酬型のため実力が年収に直結する職種の一つです。

「本当に年収1000万円なんて稼げるの？」「どんな人が働いているの？」といった疑問をお持ちの方も多いでしょう。実際には20代で年収800万円を超える若手も存在し、チャンスの多い業界であることが分かっています。

ただし、楽な仕事ではありません。数カ月にわたる航海、体力勝負の作業、船内での共同生活など、向き不向きもはっきりしています。それでも、「自分の手でしっかり稼ぎたい」「海の仕事に挑戦したい」という想いがある人には、非常に魅力的な職場です。

漁業に興味はあるけど、何から知ればいいか分からない――。そんな方のために、この記事では収入面を中心にリアルな情報を丁寧にお届けします。

この記事で分かること

カツオ遠洋漁業の年収相場と稼げる理由
給料の内訳・ボーナス・手当の仕組み
船上での働き方や生活スタイルの実態
未経験から始める方法と向いている人の特徴
よくある疑問への具体的な回答

カツオ遠洋漁業の平均年収と年収1000万円の実態

年収の目安：新米〜ベテランまでの相場

カツオ遠洋漁業の年収は、経験や役職によって大きく変動します。新人船員であっても、年収400〜500万円程度は狙えます。ベテランになると700万円〜900万円、船長クラスでは1,000万円を超えるケースもあります。特に操業期間が長く、大漁が続いた年は年収が大きく跳ね上がる傾向があります。

年収1000万円超えの乗組員はどんな人？

年収1,000万円を実現する乗組員は、船長・機関長・熟練の甲板長など高い専門性を持つ人が中心です。たとえば10年以上のキャリアがあり、かつ高収量航海に複数回携わった実績がある人が多いです。また、結果に応じて歩合が加算されるため、「チームをまとめて結果を出せる人物」ほど収入が高くなる傾向があります。

他の水産業との年収比較（養殖・近海漁業など）

水産業全体と比べても、カツオの遠洋漁業は高収入な部類に入ります。近海漁業や内水面漁業の平均年収は300万〜450万円前後。一方、カツオ遠洋漁業では500万円以上が一般的であり、結果を出せば年収700万円以上も現実的です。特に近海とは違い、遠洋はリスクと拘束時間が長いぶん、報酬面でのリターンが大きいです。

年収に影響する要素とは？漁獲量・航海日数・職種別の違い

収入に影響を与える主な要素は以下の3つです。

漁獲量：船の成績がよい年は報酬も増加
航海日数：1回の航海が長いほど手当が加算
職種別：甲板員・機関士・通信士など役割によって基本単価が異なる

職種による報酬の差は大きく、特に機関長や無線長などは高収入を得やすいです。

地域差・船会社による収入の違い

所属する船会社や地域によっても年収に差が生じます。静岡県焼津市や高知県など、カツオ漁業の拠点地域では待遇のよい船会社が多いです。また、大手船会社では福利厚生や賞与の制度が整っているため、年間での収入は安定しています。反対に、小規模な事業所では歩合に依存する傾向が強く、年によってばらつきが出ることもあります。

カツオ漁師の給料の仕組みと内訳

基本給と出来高制（歩合制）の関係

カツオ遠洋漁業では、基本給＋歩合制が一般的です。基本給は月10万円〜20万円前後で、それに加えて漁獲量に応じた出来高が支給されます。たとえば、1航海で2,000万円の水揚げがあれば、その一部が乗組員に分配される仕組みです。実績次第で給料が倍以上に跳ね上がることも珍しくありません。

成功報酬・漁獲量インセンティブの実態

大漁だった場合、インセンティブとして成功報酬が支給されるケースがあります。実際に、高知県のある漁船では、年に数回「大漁手当」が乗組員に支給され、1回あたり30万円以上の加算があることも。

インセンティブの有無は会社や船主によって異なるため、事前に確認が必要です。

支給頻度（月給制か、年数回か）

支給のタイミングは「月ごと」ではなく、「航海ごと」にまとめて支払われるのが主流です。たとえば、3か月航海した場合、帰港後にまとまった金額が支給されます。1回の航海で100万円以上受け取る例もありますが、安定性には欠ける面もあるため、計画的な資金管理が求められます。

陸上職との給与の違い

同じ漁業関係者でも、陸上勤務のスタッフと船上勤務の乗組員では収入構造が異なります。陸上職は月給制が多く、年収も300万円〜400万円程度が一般的です。一方、船員はリスクや拘束時間が長い分、収入は高く、年収600万円〜1,000万円超も可能です。ただし、体力や精神的な負担は大きいため、ライフスタイルに合うかが重要な判断ポイントです。

船主（オーナー）との取り分の関係

収益の分配は「船主：乗組員＝○：○」といった割合で決まることが多いです。たとえば、船主が50％、残りを船員で分配という形が一般的です。そのため、漁獲量が多い年は船主も乗組員も潤いますが、不漁年は全体の取り分も減るというリスクも抱えています。

契約内容によってはトラブルになることもあるため、乗船前に分配基準を確認しておくことが大切です。

カツオ遠洋漁業のボーナスと特別手当

ボーナスの支給時期と金額相場

遠洋漁業におけるボーナスは、年2回支給されるケースが多く、夏と冬の航海終了後にまとめて支払われます。金額は個人の成績や役職により異なりますが、一般的には年間20万円〜60万円ほどが相場です。船長クラスになると年間100万円を超えることもあります。

航海手当・危険手当とは？

カツオの遠洋漁業では、長期間に及ぶ航海と高いリスクが伴うため、基本給とは別に「航海手当」「危険手当」が加算されます。たとえば、1か月あたり5万円前後の航海手当が支給される船もあります。

荒天や長距離移動が多い航路ほど手当の割合も高くなる傾向があります。

大漁ボーナスや特別支給金の存在

漁獲量が大きかった航海では「大漁ボーナス」が支給されることがあります。高知県のある漁船では、特別支給金として1回30万円が上乗せされた実績もあり、乗組員の士気向上に大きく寄与しています。ただし、支給の有無は船会社の方針によって異なります。

船員保険・共済制度からの給付金

乗組員は「船員保険」や「全国漁業共済組合連合会」に加入しているケースが多く、病気や事故時の給付金を受け取れます。たとえば、負傷による休業補償として日額6,000円〜8,000円が支給される場合があります。

長期休養が必要な際の精神的負担を軽減するためにも、保険の加入状況は確認しておくべきです。

休暇手当・帰省費補助などの福利厚生

乗組員には、長期航海の後に一定期間の陸上休暇が与えられ、その際に「休暇手当」や「帰省費補助」が支給される場合があります。実例として、鹿児島の漁業会社では、帰省時の交通費全額支給＋3万円の休暇手当を提供しています。家族との時間を大切にできるようサポートされている点も大きな魅力です。

カツオ遠洋漁業の労働環境と生活事情

1航海の期間と陸上休暇のサイクル

カツオ遠洋漁業の1回の航海は、平均して60日〜90日ほどです。中には、120日を超える長期航海も存在します。航海後には10日〜2週間ほどの陸上休暇が設けられ、リフレッシュや家族との時間を確保することができます。このサイクルが年間3〜4回繰り返されるのが一般的です。

船内での1日のスケジュール

1日の作業は「操業タイム」に左右されます。一般的には、早朝から魚群を追い、昼過ぎに網を入れて引き上げ、夕方には選別作業を行います。深夜に当直を担当することもあり、交代制で24時間稼働するのが基本です。睡眠や食事の時間は確保されますが、漁の状況によって変動します。

食事・睡眠・娯楽の実態

船内では専属の料理人が調理を行い、1日3食が提供されます。新鮮な魚料理が出ることも多く、食事の満足度は高いと評判です。睡眠は2段ベッド形式の個室や簡易カプセル式の寝室で取ります。娯楽としては、スマホでの動画視聴やトランプなどが一般的です。

通信手段と家族との連絡

衛星通信を利用することで、メールや簡易的なチャットが可能です。ただし、リアルタイム通話や動画通話は難しく、通信速度とコストに制限があります。家族との連絡は週に1〜2回が目安とされており、必要最低限のコミュニケーションは維持されています。

船内トラブル・怪我・ストレス対策

長期間の閉鎖空間では、対人トラブルやストレスが発生しやすくなります。そのため、ベテラン船員が間に入る形で仲裁役を担うこともあります。また、船内には簡易的な医療キットや常備薬が用意されており、怪我や体調不良に備えたマニュアルも整備されています。

メンタルケアの重要性も高まっており、定期的な面談を実施する会社も増えています。

カツオ漁師になるには？必要な資格と就職方法

必須または有利な資格とは？

カツオ遠洋漁業の乗組員になるには、必須の国家資格は原則不要です。ただし、甲板長や機関士などの役職に就くには「海技士」や「小型船舶操縦士」などの免許が必要になる場合があります。特に1級・2級海技士（航海）は昇進に有利とされています。

学歴・年齢制限はある？

カツオ漁師には学歴の制限はなく、中卒・高卒でも採用されるケースが多くあります。また、年齢に関しても特に上限はなく、18歳以上で体力と健康があれば誰でも応募可能です。ただし、新人の育成コストを考慮して、20代〜30代の若手を歓迎する企業が多いのも事実です。

未経験でも採用されるルート

未経験からでもカツオ漁船に乗り込むチャンスはあります。実際に、前職が接客業や工場勤務だった人が船員として活躍している例も多数あります。応募時には履歴書と健康診断書が必要な場合が多く、特に体力面のアピールが重要です。

養成学校・研修制度の活用

海洋高校や漁業系専門学校を卒業すると、即戦力として採用されやすくなります。また、「全国漁業就業者確保育成センター」では、乗船体験研修や就業相談会も実施されています。こうした制度を利用すれば、未経験でも業界の理解を深めながら安全にスタートできます。

求人の探し方（船会社・漁業組合・紹介所など）

求人は各地の漁業協同組合、専門の船員紹介所、または直接船会社のホームページなどで確認できます。静岡県焼津市や高知県土佐清水市など、カツオ漁業が盛んな地域では通年で求人が出ていることもあります。

「給与体系」「航海日数」「福利厚生」は求人ごとに大きく異なるため、事前の確認が非常に重要です。

遠洋漁業に向いている人・向いていない人

向いている人の特徴（体力・忍耐・協調性）

カツオ遠洋漁業は過酷な環境下での仕事です。そのため、体力がある人、ストレスに強い人、チームで動ける人が向いています。たとえば、スポーツ経験者や長時間の労働に慣れている人は適応が早い傾向にあります。共同生活が基本となるため、協調性も不可欠です。

向いていない人の傾向

短気な人や潔癖症、孤独が苦手な人は船上生活に適応しにくいです。特に、他人との距離が近い状況に強いストレスを感じる人は注意が必要です。

また、酔いやすい体質や睡眠が浅い人は長期航海が大きな負担になることがあります。

家族や恋人との関係に与える影響

長期間の不在は家族関係に影響を与えることもあります。実際に、「子どもの成長を見逃した」「パートナーとのすれ違いが増えた」といった声も少なくありません。ただし、しっかりした連絡手段と信頼関係があれば乗り越えられるとの実例もあります。帰港後の過ごし方が絆を深める鍵になります。

キャリアアップや転職の選択肢

遠洋漁業の経験は、漁労長や船長への昇進に直結します。また、漁業会社の管理職や水産加工業への転職など、関連業種への道が開かれるのも魅力です。さらに、一部の漁師は独立して自分の船を持つケースもあります。

長く続けるコツとモチベーション維持

長期的に続けるためには、体調管理と人間関係のバランスが重要です。以下のような習慣が長続きの秘訣になります。

毎航海後の目標設定（例：〇万円稼ぐ）
船内での小さな楽しみ（読書・音楽など）
帰港時のご褒美や家族旅行の計画

小さな達成感の積み重ねが、モチベーション維持につながります。

【FAQ】カツオ遠洋漁業の気になる疑問に回答！

本当に年収1000万円稼げるの？

はい、可能です。ただし、全員が稼げるわけではありません。年収1,000万円を超えるには、10年以上の経験や高い役職（船長・機関長など）が必要です。高知県の漁協によると、40代の甲板長が年間1,100万円を達成した実例があります。成果報酬型のため、努力と実力が収入に直結します。

危険性はある？命のリスクは？

遠洋漁業は自然相手の仕事です。悪天候・落水事故・機械トラブルといったリスクが常にあります。国土交通省の統計によれば、令和4年度の遠洋漁業における死亡・行方不明者数は14名でした。

命を守るための安全対策や訓練の徹底が不可欠です。

女性でもカツオ漁師になれるの？

最近は女性乗組員も少しずつ増えています。たとえば、静岡県焼津市では、20代女性が甲板作業に従事している事例も確認されています。ただし、トイレや寝室の設備が限られている船もあるため、事前に勤務環境を確認することが大切です。

海外航海の場合のビザや入国手続きは？

カツオ遠洋漁業では、公海上を航行するため基本的に入国審査は発生しません。しかし、寄港地によってはビザの取得が必要になることがあります。たとえば、アメリカ領サモアやパプアニューギニアなどでは、船員ビザが求められるケースもあります。ビザの取得は会社側がサポートするのが一般的です。

船上で病気になった場合の対応は？

乗組員が体調を崩した際には、まず船内の救急キットで初期対応を行い、必要に応じて無線で医師に相談します。緊急度が高い場合は最寄りの港に寄港して病院で診察を受けます。船員保険により、医療費や入院費の一部は補償されます。

家族の理解が得られにくい場合の対処法は？

長期間家を空ける仕事であるため、家族の理解はとても重要です。実際に「子どもの行事に参加できない」といった不満の声もあります。一方で、帰港時の長期休暇で一緒に過ごす時間を重視する家庭も多いです。事前に十分な話し合いを行い、収入や生活スタイルについて具体的に共有することが信頼関係を築く鍵です。

まとめ：カツオ遠洋漁業で高年収を目指すなら、覚悟と準備がカギ

カツオの遠洋漁業は、高収入を実現できる夢のある仕事です。しかしその一方で、長期間の航海や体力的な負担、家族との離れた生活など、多くの覚悟が求められる現場でもあります。

特に年収1,000万円を目指すには、経験と実績が不可欠です。新人のうちは月給＋出来高で安定しにくい時期もありますが、漁獲量や役職に応じて確実に収入アップが期待できる業界です。

また、求人の探し方や必要な資格、福利厚生の内容などを事前にしっかり調べておくことが、失敗しない第一歩となります。自分に合った環境で、納得のいくキャリアを築きましょう。

ただし、遠洋漁業は誰にでも簡単に続けられる仕事ではありません。自分自身と向き合い、本気で挑戦したい人にこそ適した職業です。